バントが多用される理由

バットとボール

メジャーではパワーが優先される一方、日本の野球ではチームバッティングやチームプレーといった「フォアザチーム」が最優先とされます。犠打もその一つで、日本では序盤、もしくは接戦のまま終盤を迎えた場合に、ノーアウトかワンアウトでランナーが出塁するとバントをするケースが良く見られます。

フォアザチームはもちろんですが、これには確率的な理由もあります。例えば3割バッターを1番から3番まで3人並べたとしても、3人が連続してヒットを放つ確率は0.3x0.3x0.3=0.027と、僅か2.7%です。2本のヒットだけでは点数は入りませんから、バントを使用しない場合は単純計算でも97.3%の確率で点数が入らないことになります。

しかし、1番バッターがヒットで出塁し、2番バッターが犠打で2塁に進めると、ヒットにより1点が入る確率は0.3x0.3=9%と1割近くに上昇します。実際には1番バッターの出塁はヒットだけではなく、四球等も含めた出塁率で計算しますから、得点する確率はもっと高い数値となります。

このように確率で考えると、送りバントを上手く織り交ぜた方が得点する可能性は上昇することになるため、日本で見られる緻密な野球は必須の要素と言えます。

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